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2013年8月25日 (日)

鈴木先生

「何を今頃 鈴木先生?」と言われそうだが、TSUTAYAでコミックレンタルを始めて 10冊500円だったから全11巻まとめて借りて来たのである。

TVドラマになったのも知っているが見ていない。「どこにでもいる平凡な教師が悩む話」みたいに言っていたようなおぼえがある。軽い気持ちで読み始めたのだが これが
トンデモナイ代物だった。鈴木先生みたいな人は「どこにでも」いないし「平凡」でもない。人並みに悩みはするけど自己完結で立ち直れちゃう。平凡なのは名前だけ(仕組んでるな~)。

内容については言わない。

絵ははっきり言ってヘタ。

作者の言語能力(思想を言語化するチカラ?)が圧倒的な圧力と物量で迫って来る。

しかし読み進んで行くうちに「うん?ちょっと待てよ」になった。

鈴木先生は他人(保護者 生徒)の言うことを聞かない。と言うか言わせない。「お母さんはちょっと黙っててください」で黙らせる。生徒がなにか言うと「今おまえは○○○と言ったが それはこういう意味になるのをわかっていてその言葉を使ったのか」と黙らせる。こういうのを「言葉尻をとらえて難癖をつける」と言うんじゃなかったっけ?と言いたくなるような場面もある。また それを中学生が真似をして「さっき こういったけど」と同級生に詰め寄ってたりする。

つまり鈴木先生はディベートはしていない。相手を黙らせて叩きつぶすまでやるのが討論だとしたら それには成功しているが。

ただし ここからが一筋縄ではいかない人で、ちゃんと相手が深く考えるように持って行くのだ。世の中言葉の裏や奥にあるものまで読んで深く思考できる人ばかりじゃないんだけど「そうか
flairだから先生はああ言ったんだsign03」と ほぼ全ての人(生徒 親 同僚の先生)が納得してしまう。まあ「わかってくれたcatface」とホッとしている場面もあるけど わかってもらえるまでしゃべり続けているという自覚はなさそうである。

スゴイぞ鈴木先生
(≧∇≦)
あのロジックは
(*^m^)
これでもか、と浴びせかけて来る過剰な言葉。あれを現実に聞いたら咀嚼しきれなくて消化不良を起こしそうだけどな。

あれだけ言いたいこと言っている間 黙っててくれる人ばかりじゃないはずだが。そういう意味でリアリティはない と思う。間の取り方がうまいのだろうと思うが、ソクラテスの対話もかくや、と思わされる場面がてんこ盛りである。

みんなが言いたいことを言い合って解決してしまう ということは現実にはないように思う。そういうことができないから思春期の子供たちはウジウジしてたり悩み多い中学校生活を送ったりしているわけで。

性の問題はこれでもか、というくらい描いているが 今世間で一番(たぶん)問題になっているイジメの問題には触れてはいるが踏み込んではいない。さすがにハードルが高かったか?

と書いて来たが「鈴木先生」を否定するものではない。こういうロジックで迫れば人間が未熟な中学生も納得しやすいよなあ という目からウロコの経験ができる。少なくとも「金八先生」よりは共感しやすいだろう。『正論』をナマで振りかざすのではなくテクを駆使している。

結論 思考を他人にきちんと届く形にして言語化する能力は大事だ。これじゃダメかな?

余談になるが
巻末に解説を書いている人たちって大変だっただろう と思う
sweat01

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